知古辣

 全国のスイーツ店が賑々しくなる、この時期。
百貨店の催事場には赤やピンクといった暖色系の看板があちこちに立てられます。
そうですね、バレンタインデーですね。
ではカタログ片手に散策いたしましょう。

 

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「ヴィタメール」さんより。
五種のジャンドゥーヤ盛り合わせ。
それぞれに味が異なり、コーヒー系とナッツ系の香りが強め。
赤色のものはラズベリーっぽい甘酸っぱさを期待したのですが、大人向けのほろ苦さ。
一口で食べるのは勿体ないので、半分に割って食べました。

 

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同じく「ヴィタメール」さんより。
上に乗っているつぶつぶは意外と固く、口内でゆっくり溶けるチョコとの対比が抜群です。
こちらもコーヒー系が多めですが、やや甘さが強調されているようでした。
ちなみにお酒の入ったチョコも多数取り扱っておられるようですが、写真は全てノンアルコールです。
未成年でも安心ですね。

 

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「エス コヤマ」さんより。
見た目は抹茶のチョコですが、中に細かく砕いた柚子が入っています。
面白いのは食感で、パリッとした表面を割ると柔らかい中身が出てくるのかと思いきや、
中心部もしっかりと歯ごたえのあるチョコが鎮座しています。
このチョコの柚子は食べている時はあまり味を感じませんが、食べ終えてしばらくすると口内に香りが広がります。
不思議なものです。

 

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「宇治園」さんより。
左から抹茶、柚子、ほうじ茶です。
真ん中の柚子味は2018年限定のもの……と聞けば買うしかないではありませんか。
角ばった見た目のとおり、口の中でも溶けにくく、舌上で転がしながらじっくり味わうことができます。
ほうじ茶は香りが非常に良く、玄米茶と一緒に食べると美味しさ倍増です。
この催事場、この「宇治園」さんと、「辻利」さん、「祇園辻利」さんという、
店名も置いてあるチョコも似たような三店が毎年同じ場所に密集しています。
なので買う時に他の二店にちょっとだけ申し訳ない気持ちになるのです。

 

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初出店の「ca ca o」さんより。
写真はパッションフルーツと柚子。
チョコの種類が豊富で他にも抹茶やマンゴー等、9種類ほどありました。
全て試食させてもらいましたが、特に印象的だったこの2品を選択。
香り付け程度かと思いきや、パッションフルーツは強烈なほど甘酸っぱく、
柚子にいたっては薄く削いだ皮をそのまま食べているのかと思うほど、しっかりと味がします、
生チョコなので口溶けはなめらかなのですが、前述のとおり味がハッキリしているので、
食感よりもむしろ味覚に意識が向きます。

 

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初出店の「ビセンス」さんより。
催事場に向かう途中の、いわばもうひとつの催事場で見かけて購入。
すぐ横でパティシエと通訳の方が話していたのが印象的でした。
トロン、というスペインの伝統的なお菓子のようです。
ずっしりと重く、和菓子でいえば羊羹のような重厚さがあります。
上は白トリュフとヘーゼルナッツのトロン。
ナッツの濃厚な甘さの合間に塩味が入り込んでくるという不思議な味わいです。
下はラズベリーのトロン。
こちらは惜しみない酸味が上品且つ強烈に味覚を刺激してきます。
その最中にふんわりと花の香りが広がるのですが、使われているのはスミレ。
紅茶によく合います。

 


 今年は新規出店の扱っているチョコのバリエーションが豊富でした。
狙って買ったわけではありませんが、柚子を使用しているチョコも多かったように思います。
例年、全店の9割が固定、1割が入れ替わりのブランドです。
なので「ca ca o」さんや、「ビセンス」さんの作品はもう拝めないかもしれません。
イチゴ一会。
これもバレンタインデーの面白さなのです。