2016年聖夜はオルガンコンサートで

 クリスマスオルガンコンサートに行ってきました。
バッハやヘンデルの曲は好きなのですが聴くのはCDばかりなので、実際にオルガンの音色を聴きに行こうと思ったのです。
とはいえバイオリンやピアノと違って、オルガンは持ち運びができない楽器。
それが置いてあるホールでなければ聴くことができません。
というわけで向かった先は大阪にある「いずみホール」。
この時期だからこそオルガンコンサートが開催されているのでした。
曲目はトッカータとフーガ、主よ、人の望みの喜びよ、アヴェ・マリア、ボレロ他。
クラシック音楽というと聴いたことはあっても、曲名は知らないという場合が多いでしょう。
例えば前述のトッカータとフーガも曲名だけではイメージが湧かなくとも、
「鼻から牛乳の音楽と同じ」と言われれば分かる人がいるかもしれません。
クラシック音楽は著作権が切れていることもあり、特にテレビCM等でよく使われています。
案外こういう、「ちょっと耳にしたことがあるけど、あれは誰の何という曲か?」という疑問から、
興味を持ち始めるということもあります。

さて、実際のオルガンの音色ですが、これが素晴らしい!
おそらく本場の大聖堂のものと比べれば劣るのでしょうが、それでもホール全体から鳴り響いているのでは、
と思わせるほどの音の迫力は、体に心に突き刺さるほどの力があります。
オルガンは左右にいくつもある、「ストップ」というレバーのようなものを調節することで音色が変わります。
その組み合わせは無数で中には、これがオルガンから出る音なのか、と疑いたくなるような音もあります。
これが時に緩急をつけて柔らかく、時に力強く、時に軽やかに、時に重厚な音楽となってホールを包み込むのです。
そこにオルガンそのものを目の前にしての荘厳さが合わさり、神聖な空間ができあがるわけです。
曲と曲の境である無音の時間さえも知的な静寂のように感じ、この隙間もまた曲目に列せられていると錯覚します。
濃密な2時間でした。
イヤホンやスピーカーを使ってはできない体験。
たまにはコンサートホールに足を運ぶのもよいかもしれません。

 

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写真だけでは迫力が伝わりにくいかもしれません。
いくつもあるストップに、三段の手鍵盤、さらには足鍵盤を駆使して紡がれる調べ。
奏者の技量のほどは想像もつきません。

 

 

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帰着すると待っていたのはケーキの箱。
例年は百貨店で身の丈に合わないホールケーキを2つ買うのですが、今年はひとつでご辛抱。
よくできていますね。
実はこれと同じ絵柄の皿が一枚付属しています。
食べるのが勿体ない! ……と思っていましたが30分後には綺麗になくなっていました。
こうして2016年の聖夜は過ぎていきましたとさ……。