またお別れ

 昨年からしている地域猫保護活動。
自分が見ている範囲の子は全て避妊・去勢手術を終えているので、これ以上増えることはありません。
しかし増えないということは、減ることはあるという意味で……。



 冬、またひとつ、小さな命が尽きました。
状況から車に撥ねられたが即死に至らず、裏路地に逃げ込んでそのまま息絶えたようです。
模様がアメリカンショートヘアに似ているミックスなので、もどき → ”もっくん”と呼ばれていました。
飼い主に捨てられた子で、当初はなかなか懐いてくれませんでした。
半年ほどしたところでようやく警戒心が解けたか、顔を見ると体をすりつけてくるようになりました。
それだけに突然の別れは辛いものです。
葬儀は以前、クッキーがお世話になった場所で執り行われました。
冥福を祈るばかりです。

ひとつ、不思議なことがありました。
亡骸を預かってくださっていた現場近くの家から遺体を引き取る際、
箱の中から一度だけ、小さく鳴き声が聞こえました。
咄嗟に立ち止まって、まだ生きているのではと望みを持って箱を開けましたが、やはり息を吹き返すことはありませんでした。
声はそのたった一度だけで、それ以後は聞こえませんでした。
何かのメッセージだったのでしょうか。