お盆の終わり

 お盆が終わりました。
僕は無宗教ですし、亡くなった者がどうなるか、魂はどこに行くのか、そもそも魂なんてあるのか、
自分なりに信じているものがありますが、これもひとつの節目と考えてクッキーを供養しました。
僕は仰々しく飾り立てるのは好きではありません。
お位牌やリンなどは揃えず、お骨壷の前に供花とおやつを置いてあげます。

 死生観に関する本をいろいろと読んでいくと、本の数だけ考え方が出てきます。
輪廻転生を繰り返すという説。
生まれ変わる度に魂のレベルが上がっていくとする説。
死後は無であるとする説。
死者は守護霊となり近しい者を守るとする説など……。
誰にも分からないのだからこれだけの説が挙がってくるのでしょう。
どれかが正解かもしれないし、どれも違うかもしれません。
だから誰がどんな考え方を持ってもいいわけです。
みんな勝手に想像して信じているわけですから。
だから僕も勝手に考えて勝手に信じています。
人によってはデリケートな話題ですから僕がどのような宗教観を持っているかは言いません。


 クッキーが亡くなって一度だけお骨壷を開けました。
お盆の時ではなくもう少し前の日です。
メモリアルグッズのひとつにお骨の一部を収めるための筒状の入れ物があります。
それに入れるために開けたのですが、それとはもうひとつ僕なりの供養のひとつとして。
クッキーのお骨のほんの少しを貰って、それを食べました。
できるだけその形のままでと思いましたが喉を通らなかったため、一度だけ噛んで割ってしまいました。
もちろん思い込みなのでしょうけど、一瞬だけクッキーと一体になったような気がしました。