非椿

 アイドルが酩酊して公園で裸になって挙句に「何が悪い!」と酔っていたとはいえ言い放ったりする世の中ですね。
別に珍しくはないんですね、こういうの。
酔っ払いが何かやった、なんてニュースは初中後ありますし。
今回はそれをやったのが老若皆よく知るアイドルだということで。
刃傷沙汰に比べれば罪の程度としては軽いでしょう。
だからといって許される訳ではありませんが、騒ぎすぎだという声もよく聞きます。可哀想だとも。
その意見も分からなくはないのですが、気になるのは報道関係者がやたら彼を擁護するところだったりします。
勤めるようになってからは昼間のワイドショー辺りはとんと観なくなったのですが、さてどんな風に取り上げてるかなと観てみました。
(ちょうど母が録画してくれてました)

「ストレスが溜まってたんだろね。パーッと何もかも忘れて騒ぎたくなる時があるんじゃないの?」

「若い時にはいろいろありますから、いろいろヤンチャやるもの」

「誰かケガしたわけじゃないんだから、笑って許せばいい」

「芸術的な裸体だから不快ではない」

……あなたら、それでいいのか?
仲間内での会話ならともかく、一応放送されてるのだからもう少し発言の内容には気を遣ったほうが……なんて思いました。
許されることが前提で生ぬるい舐め合いをしているようでした。
彼に何の非もないのであれば庇うのは当然だとしても、明らかに非があるにも拘らず行為そのものには触れないで、
「普段は真面目な好青年」とか「若さゆえ」と論点ずらしも甚だしい不気味な擁護を展開するのは何故……?
これが例えば成人式で暴れる若者が主題だった場合、それはもうボロクソのケチョンケチョンです。
老獪あたりは怒髪天を衝く勢いで憤るでしょう。
同じ様に扱えばいいじゃん。
アイドルかも知れないけど、一個人という意味では彼も無名の若者も同じなのだから。
観てますとコメンテーターとかは気持ち悪いくらい媚びる如くに擁護の連発です。昔の少女漫画で意地悪なお嬢様に必ず2人附いている側近みたいです。

やはり芸能人仲間は強い絆で結ばれているのでしょうか。
それとも何かの圧力か。
……と、僕が思えるのもきっと○マップのファンではないからでしょう。
もしそうだったら盲目的に庇護していたかも知れません。

ともかくも僕が思うことは――。


『笑って赦せる問題じゃない』


お酒やジョックに散々な目に遭わされ続けている僕の心の号びです。