佐藤姓を捕まえる壮大な鬼ごっこを題材にした小説の文章が面白い。
今さらながらネットでそう書いてあるのを見つけ、僕も思わず中古本屋で買ってしまいました。
読み始めて3ページ目くらいでその意味が分かりました。
もちろん本の内容が、ではありません。
もはやストーリーなどどうでもよくなってしまうほどの衝撃でした。
具体的にどこがどう、というのは他のサイト様で子細に紹介されているのでここでは省略します。
よく、”中学生くらいが思いつきで書いたような文章”と評されています。
アマゾンのレビューの上から10番目まで読めば、ひとつくらいはそういうコメントがあります。
それも分かるのですが、いくらなんでも中学生ならもっとまともな文章を書くと思うんですよね。
新聞でも読者の投稿欄というのがありますが、あれでもしっかりした文体の小学生もいます。
文章能力の稚拙さを表現するのに年齢を用いるのはどうか、と僕は思うわけですね。
周りを見てみると年齢が能力や才覚のものさしになっている例なんてほとんどありません。
若くてもしっかりした人もいれば、あんた何十年生きてきたんだと嘲笑いたくなる人もいます。
構文の誤謬といえば、SSにも多いです。
以前ほどサイトを巡ることはなくなりましたが、作業の合間などにSSを読んだりします。
(今でいえばリリなのとからきすたを題材にしたものですね)
細部まで作りこまれた作品に出会うと嬉しくなります。
二次創作の範疇を超えた舞台設定、丁寧な心理描写、語彙の豊富さ。
作者は題材とした作品を何度も見返し(読み返し)て、自分なりの世界を練り上げたのだろうなあと。
思わずどこから着想を得たのかと想像したくなります。
一方で文章が残念なSSにあたることもあります。
日本語の文章として成立していない、主語述語が曖昧、重複……。
頭痛が痛いとか、試験を受験するとかいうレベルではないものも。
例えて言うなら、
「私が向かった先は町外れの洒落た店に足を踏み入れた時、誰かに呼び止められて振り向いた先には、
ハッキリとは分からないが30歳くらいの女性に私は睨まれていた」
こんな感じです。
で、こういう文章を書く人の作品はなぜかやたら長編だったりします。
長編でかつ1話あたりの文量も多く、一文も長い。
とりあえず一文を短くすれば構文の破綻だけは避けられるハズなのですが……。
あくまで僕の憶測に過ぎませんが、こういう人は書き始める前から既に頭の中で物語が完成しているのかもしれません。
後はそれを実際に文字にするだけだ、という段になって完成を急ぐあまりに至るところに穴ができてしまう。
実際に読んでみると、
「嗚呼、この作者はこういう物語を描きたかったんだろうなあ」
と思うこともよくあります。
勿体無いと思いますね。
同じ表現するなら読みやすいほうが得です。
話の内容ではない日本語能力について酷評されるなんて、書き手にとっては苦痛なだけでしょうから。
……などと、自分のサイトのSSを1年近く更新しない僕が言えたことではありませんね。
構想はあるのですがこれがなかなか進まず……。
アホ毛と泣き黒子が特徴的な某オタク少女が自殺してしまう話ばかり書いてます。
まったく訪問者様には申し訳ないかぎりでございます。